本項では、『合成関数の微分公式』 と 『問題の解き方』について解説します。
合成関数の微分公式とは、関数 \(\large{y=f(u)\hspace{1pt},\hspace{3pt}u=g(x)}\) が微分可能であるとき、合成関数 \(\large{y=f(g(x))}\) の導関数を求める公式です。
上式は \(\displaystyle\large{\frac{dy}{du} = f'(u)\hspace{1pt},\hspace{3pt}\frac{du}{dx} = g'(x)}\) であることから、以下のようにも表されます。
上記の公式①、②の違いは計算の過程に表れます。
公式①では、\(\large{y=f(u)\hspace{1pt},\hspace{3pt}u=g(x)}\) とおいて計算をするため、計算過程が分かりやすいですが、計算式が長くなります。
一方、公式②では、\(\large{u}\) への置き換えをせずに計算するため、慣れれば素早く計算できます。
例えば、以下のような合成関数を 公式①、②を利用して微分します。
【例題】の解答
まず、合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
を利用して例題を解きます。
問題の関数において
\(\large{y=u^3}\)、\(\large{u=x^2+5}\) とおくと、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=3u^2}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=2x}\)
となります。
合成関数の微分公式① $$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large 3u^2 \cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 3(x^2+5)^2 \cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 6x(x^2+5)^2\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【例題】の解答
次に、合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
を利用して例題を解きます。
\(\large{g(x)=x^2+5}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^3}\) となるため、
合成関数の微分公式② $$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(g(x))\}' &\large =&\large 3(x^2+5)^2\cdot (x^2+5)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 3(x^2+5)^2\cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 6x(x^2+5)^2\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
合成関数の微分公式を導関数の定義から導きます。
関数\(\large{f(x)}\) の 導関数\(\large{f'(x)}\) は、以下の式により定義されます。
上記の導関数の定義から、合成関数の微分公式を導きます。
ここで、\(\large{g(x+h)-g(x)=i}\) とおくと、 $$\large{g(x+h) = g(x)+i}$$ であることから、
ここで、\(\large{h \to 0}\) のとき \(\large{i \to 0}\) であることから、 $$\large{\lim_{i \to 0}\frac{f(\hspace{1pt}g(x)+i)-f(\hspace{1pt}g(x))}{i}=f'(g(x))}$$ また、 $$\large{\lim_{h \to 0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}=g'(x)}$$ したがって、 $$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$ が導かれます。
本章では、合成関数の微分公式 に関連した問題について解説します。
問題(1)~(5)は、合成関数の微分を計算する問題です。
(解答と解説 : 問題(1) 問題(2) 問題(3) 問題(4) 問題(5))
問題(6)~(10)は、三角関数や指数関数、対数関数を含んだ関数に、合成関数の微分公式を適応する問題です。
(解答と解説 :問題(6) 問題(7) 問題(8) 問題(9) 問題(10))
【公式①による解答】
本問は、合成関数の微分公式により関数を微分する問題です。
まず、以下の公式①による解法について解説します。
問題の関数において
\(\large{y=u^5}\)、\(\large{u=x^2+3}\) とおくと、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=5u^4}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=2x}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large 5u^4 \cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 5(x^2+3)^4 \cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 10x(x^2+3)^4\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の公式②の解法について解説します。
\(\large{g(x)=x^2+3}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^5}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(g(x))\}' &\large =&\large 5(x^2+3)^4\cdot (x^2+3)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 5(x^2+3)^4\cdot 2x\\[0.5em] \large &\large =&\large 10x(x^2+3)^4\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
問題の関数において
\(\large{y=u^2}\)、\(\large{u=x^3-4x+5}\) とおくと、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=2u}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=3x^2-4}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large 2u \cdot (3x^2-4)\\[0.5em] \large &\large =&\large 2(x^3-4x+5)(3x^2-4)\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\large{g(x)=x^3-4x+5}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^2}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(g(x))\}' &\large =&\large 2(x^3-4x+5)\cdot (x^3-4x+5)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2(x^3-4x+5)(3x^2-4)\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
与えられた関数を変形すると、
$$\large{y=\frac{1}{(x^3+2)^2}=(x^3+2)^{-2}}$$
\(\large{y=u^{-2}}\)、\(\large{u=x^3+2}\) とおくと、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=-2u^{-3}}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=3x^2}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large -2u^{-3} \cdot 3x^2\\[0.5em] \large &\large =&\large -2(x^3+2)^{-3} \cdot 3x^2\\[0.5em] \large &\large =&\large -\frac{6x^2}{(x^3+2)^3} \\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\large{g(x)=x^3+2}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^{-2}}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(g(x))\}' &\large =&\large -2(x^3+2)^{-3}\cdot (x^3+2)'\\[0.5em] \large &\large =&\large-2(x^3+2)^{-3}\cdot 3x^2\\[0.5em] \large &\large =&\large-\frac{6x^2}{(x^3+2)^3}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y=u^2}\)、\(\displaystyle\large{u=\frac{x^2}{x^3+2}}\) とおくと、 $$\large{\frac{dy}{du}=2u}$$ となります。
また、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}}\) は商の微分公式 $$\large{\left\{\frac{f(x)}{g(x)}\right\}' = \frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2}}$$ を利用すると、 \begin{eqnarray} \large \frac{du}{dx} &\large =&\large \frac{(x^2)'(x^3+2)-x^2(x^3+2)'}{(x^3+2)^2}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{2x(x^3+2)-x^2 \cdot 3x^2}{(x^3+2)^2}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{-x^4 + 4x}{(x^3+2)^2}\\[0.5em] \end{eqnarray}
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large 2u \cdot \frac{-x^4 + 4x}{(x^3+2)^2}\\[0.5em] \large &\large =&\large \large 2 \frac{x^2}{x^3+2} \cdot \frac{-x^4 + 4x}{(x^3+2)^2}\\[0.5em] \large &\large =&\large -\frac{2x^3(x^3 - 4)}{(x^3+2)^3} \\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\large{g(x)=\displaystyle\frac{x^2}{x^3+2}}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^{2}}\) となるため、
と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y=u^{\frac{1}{2}}}\)、\(\displaystyle\large{u=1+x^{\frac{1}{2}}}\) とおくと、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=\frac{1}{2}u^{-\frac{1}{2}}}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=\frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}u^{-\frac{1}{2}} \cdot \frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}(1+x^{\frac{1}{2}})^{-\frac{1}{2}} \cdot \frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{4}\{x(1+x^{\frac{1}{2}})\}^{-\frac{1}{2}} \\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{4}\frac{1}{\sqrt{x(1+\sqrt{x}\hspace{1pt})}} \\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\large{g(x)=\displaystyle 1+x^{\frac{1}{2}}}\) とすると、\(\large{f(x)=\{g(x)\}^{\frac{1}{2}}}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large \frac{1}{2}(1+x^{\frac{1}{2}})^{-\frac{1}{2}} \cdot (1+x^{\frac{1}{2}})'\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}(1+x^{\frac{1}{2}})^{-\frac{1}{2}} \cdot \frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{4}\{x(1+x^{\frac{1}{2}})\}^{-\frac{1}{2}} \\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{4}\frac{1}{\sqrt{x(1+\sqrt{x}\hspace{1pt})}} \\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y=\sin u}\)、\(\displaystyle\large{u=2x+\frac{\pi}{3}}\) とおくと、
三角関数の微分
$$\large{(\sin x)' = \cos x}$$
から、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=\cos u}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=2}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large \cos u \cdot 2\\[0.5em] \large &\large =&\large 2\cos (2x+\frac{\pi}{3})\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\displaystyle\large{g(x)=2x+\frac{\pi}{3} }\) とすると、\(\large{f(x)=\sin \{g(x)\}}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large \cos (2x+\frac{\pi}{3}) \cdot (2x+\frac{\pi}{3})'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2\cos(2x+\frac{\pi}{3})\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y= u^2}\)、\(\displaystyle\large{u=\cos x}\) とおくと、
三角関数の微分
$$\large{(\cos x)' = -\sin x}$$
から、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=2u}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=-\sin x}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large 2u\cdot (-\sin x)\\[0.5em] \large &\large =&\large -2\cos x\sin x\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\displaystyle\large{g(x)=\cos x }\) とすると、\(\large{f(x)= \{g(x)\}^2}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large 2 \cos x \cdot (\cos x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large -2\cos x \sin x\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y= u^{\frac{1}{2}}}\)、\(\displaystyle\large{u=\sin x+1}\) とおくと、
三角関数の微分
$$\large{(\sin x)' = \cos x}$$
から、
\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=\frac{1}{2}u^{-\frac{1}{2}}}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=\cos x}\)
となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}u^{-\frac{1}{2}}\cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}(\sin x+1)^{-\frac{1}{2}}\cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}\frac{\cos x}{\sqrt{\sin x+1}}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\displaystyle\large{g(x)=\sin x+1 }\) とすると、\(\large{f(x)= \{g(x)\}^\frac{1}{2}}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large \frac{1}{2}(\sin x+1)^{-\frac{1}{2}} \cdot (\sin x+1)'\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}(\sin x+1)^{-\frac{1}{2}} \cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{2}\frac{\cos x}{\sqrt{\sin x+1}}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y= e^u}\)、\(\displaystyle\large{u=x^3}\) とおくと、 指数関数の微分 $$\large{(e^x)' = e^x}$$ から、\(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=e^u}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=3x^2}\) となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large e^u \cdot 3x^2\\[0.5em] \large &\large =&\large e^{x^3} \cdot 3x^2\\[0.5em] \large &\large =&\large 3x^2e^{x^3}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\displaystyle\large{g(x)=x^3 }\) とすると、\(\large{f(x)= e^{g(x)}}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large e^{x^3} \cdot (x^3)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 3x^2e^{x^3}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式①による解答】
まず、以下の合成関数の微分公式①
$$\large{\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}}$$
による解法について解説します。
\(\large{y= \log |u|}\)、\(\displaystyle\large{u=\sin x}\) とおくと、 対数関数の微分 $$\large{(\log|x|)' = \frac{1}{x}}$$ と三角関数の微分 $$\large{(\sin x)' = \cos x}$$ から、 \(\displaystyle\large{\frac{dy}{du}=\frac{1}{u}}\)、\(\displaystyle\large{\frac{du}{dx}=\cos x}\) となります。
したがって、 \begin{eqnarray} \large \frac{dy}{dx} &\large =&\large \frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{u} \cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{\sin x} \cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{\tan x}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。
【公式②による解答】
次に、以下の合成関数の微分公式②
$$\large{\{f(\hspace{1pt}g(x))\}' = f'(\hspace{1pt}g(x))\hspace{1pt}g'(x)}$$
による解法について解説します。
\(\displaystyle\large{g(x)=\sin x }\) とすると、\(\large{f(x)= \log |g(x)|}\) となるため、
\begin{eqnarray} \large \{f(\hspace{1pt}g(x))\}' &\large =&\large \frac{1}{\sin x} \cdot (\sin x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{\sin x} \cdot \cos x\\[0.5em] \large &\large =&\large \frac{1}{\tan x}\\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。