指数方程式とは、『 2x=32 』や『 22x-2x-12=0 』など式中に指数関数のある方程式のことです。
本章では、指数方程式の問題と解法について解説します。
本章では、指数方程式の基本的な問題 と 解き方 について解説します。
まず、以下のような問題について考えます。
指数方程式を解くときは、まず 『\(\large{\color{blue}{a^x = a^b}}\)』 に変形することを考えます。この形に変形できれば、指数を比較して 『\(\large{\color{blue}{x=b}}\)』 により解くことができます。
式の右辺は \(\large{32 = 2^5}\) であるため、与えられた指数方程式の底を 2 にそろえると、以下のように変形できます。 $$\large{2^x = 2^5}$$ したがって、 $$\large{x=5}$$ と解くことができます。
次に、以下のような問題について考えます。
まず、与えられた指数方程式を 『\(\large{2^x}\)』 のみで表現します。
式中の \(\large{2^{2x}}\) は指数法則の \(\large{(a^m)^n = a^{mn}}\) を利用して $$\large{2^{2x}={(2^x)}^2}$$ と表すことができます。よって、与えられた指数方程式を 『\(\large{2^x}\)』 のみで表すと以下の式になります。 $$\large{{(2^x)}^2 - 2^x -12 = 0 }$$ ここで、\(\large{2^x = X}\) \(\large{(X > 0)}\) とおくと、 $$\large{X^2 -X -12 = 0}$$ $$\large{(X + 3)(X - 4)=0}$$ と変形することができます。
上式の解は、\(\large{X=-3,4}\)ですが、\(\large{X = 2^x > 0}\) であるため、\(\large{X=4}\) だけが解となります。
すなわち、 $$\large{2^x = 4}$$ $$\large{x=2}$$ と解くことができます。
この問題のように、置換を利用して 『\(\large{\boldsymbol{a^x =X}}\)』 と置き換える場合は 『\(\large{\color{red}{\boldsymbol{X>0}}}\)』 が解の条件となります。
次に、以下のような問題について考えます。
与えられた指数方程式は、\(\large{2^x = X ,\hspace{5pt} 3^y = Y}\) \(\large{(X > 0, Y > 0)}\) とおくと、 $$\large{X -3Y = 0 \hspace{10pt}(1)}$$ $$\large{4X +3Y = 5 \hspace{10pt}(2)}$$ と簡単な連立方程式に変形することができます。
上式の解は、(1)式+(2)式から、 $$\large{5X = 5}$$ $$\large{X=1}$$ すなわち、 $$\large{2^x = 1}$$ 上式を解くと、指数が0の場合の計算から \(\large{a^0 = 1}\) であるため、 $$\large{x=0}$$ となります。
また、(1)式に \(\large{X=1}\) を代入して、 $$\displaystyle \large{Y = \frac{1}{3}}$$ したがって、 $$\displaystyle \large{3^y = \frac{1}{3}}$$ 上式は指数が負の場合の計算から \(\large{y= -1}\) と解くことができます。
よって、問題の解答は、\(\large{x=0,\hspace{2pt}y=-1}\) となります。
本章では、指数方程式の応用問題について解説します。
次に、以下のような問題について考えます。
まずは底をそろえるために累乗根 \(\large{ \sqrt[4]{27}}\) を \(\large{a^x}\) の形式に書き換えます。
指数が有理数の場合の計算から、累乗根を書き換えると、 $$\large{\sqrt[4]{27} = \sqrt[4]{3^3}=3^\frac{3}{4}}$$
したがって、与えられた指数方程式は以下のように変形されます。 $$\large{3^x = 3^\frac{3}{4}}$$ $$\large{x=\frac{3}{4}}$$ と解くことができます。
次に、以下のような問題について考えます。
与えられた指数方程式に置換を利用する解法を使いたいですが、 \(\large{2^x}\) に余分な指数がついていたり、分数で表現されていたりするため、指数法則を利用して変形します。
式中の \(\large{2^{2x+1}}\) は指数法則の \(\large{a^m \times a^n = a^{m+n}}\) より $$\large{2^{2x+1} = 2^1 \cdot 2^{2x}}$$ と表せます。さらに、指数法則の \(\large{(a^m)^n = a^{mn}}\) より $$\large{2 \cdot 2^{2x} = 2 \cdot {(2^x)}^2}$$ と表すことができます。
また、\(\large{\displaystyle \left(\frac{1}{2} \right)^{-(x+2)}}\)は指数が負の場合の計算から $$\large{\displaystyle \left(\frac{1}{2} \right)^{-(x+2)} = (2^{-1})^{-(x+2)}}$$ となります。さらに、指数法則の \(\large{(a^m)^n = a^{mn}}\)、\(\large{a^m \times a^n = a^{m+n}}\) より $$\large{(2^{-1})^{-(x+2)}=2^{x+2}=2^2 \cdot 2^x}$$ となります。
与えられた指数方程式を整理すると、 $$\large{2 \cdot (2^x)^2 -4 \cdot 2^x -16= 0}$$ $$\large{ 2^x -2 \cdot 2^x -8= 0}$$ ここで、\(\large{2^x = X}\) \(\large{(X > 0)}\) とおくと、 $$\large{X^2 -2X -8 = 0}$$ $$\large{(X+2)(X-4)=0}$$ ここで、\(\large{X = 2^x > 0}\) であるため、\(\large{X=4}\) だけが解となります。
したがって、 $$\large{2^x = 4}$$ $$\large{x=2}$$ と解くことができます。