-光と光学に関連する用語の解説サイト-

分数型の漸化式の解き方

本項では以下の内容を解説しています。

  • ・分数型の漸化式の例題
  • ・関連する問題と解説

【1】分数型の漸化式

以下のような分数で表される漸化式

【分数型の漸化式】
\begin{eqnarray} && \large a_1 = a\\[0.7em] && \large a_{n+1} = \frac{A\hspace{1pt}a_n +B}{C\hspace{1pt}a_n +D} \\ \end{eqnarray}

の解き方について解説します。

・例題1 | B=0 の場合

分数型の漸化式において \(\large{B=0}\) すなわち、 \begin{eqnarray} && \large a_1 = a\\[0.7em] && \large a_{n+1} = \frac{A\hspace{1pt}a_n }{C\hspace{1pt}a_n +D} \\ \end{eqnarray} と表される場合、漸化式の逆数をとることで一般項を求めます。

【例題1】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = \frac{1}{2}\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{a_n}{4\hspace{1pt}a_n -3} \\ \end{eqnarray}

① an≠0 を示す

まず、漸化式の逆数をとるために、すべての自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{a_n \neq 0}\) であることを背理法から示します。

\(\large{a_n = 0}\) となる 自然数 \(\large{n}\) が存在すると仮定します。
ここで、以下の漸化式 $$\large{a_{n+1} =\frac{a_n}{4\hspace{1pt}a_n -3}}$$ において、\(\large{a_{n} = 0}\) とすると \(\large{a_{n-1} = 0}\) となります。

つまり、 $$\large{ a_n = a_{n-1} = a_{n-2} = \cdots = a_1 = 0}$$ となり \(\large{a_1 = 0}\) となることから、\(\displaystyle\large{a_1 = \frac{1}{2}}\) であることに矛盾します。

したがって、すべての 自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{a_n \neq 0}\) となります。

② 漸化式の逆数をとる

例題の漸化式の逆数をとると \begin{eqnarray} \large \frac{1}{a_{n+1}} & \large = & \large \frac{4\hspace{1pt}a_n -3}{a_n}\\[0.7em] \large & \large = & \large 4 -\frac{3}{a_n}\\[0.7em] \end{eqnarray} となります。

③ bn に置き換える

ここで、\(\displaystyle\large{b_n = \frac{1}{a_n}}\) と置き換えることで $$\large{b_{n+1} = -3 \hspace{1pt} b_n +4 }$$ と変形されます。

④ bn の一般項を求める

上式は \(\large{b_{n+1}\hspace{1pt},\hspace{2pt}b_n}\) を \(\large{\alpha}\) に置き変えた特性方程式 $$\large{\alpha = -3 \hspace{1pt}\alpha + 4}$$ を解くことで一般項を求められるように変形されます。

特性方程式の解\(\large{\alpha}\) は \(\large{\alpha = \color{red}{1}\color{black}{}}\) となることから、 $$\large{b_{n+1}-\color{red}{1}\color{black}{} =-3\hspace{1pt}(b_n -\color{red}{1}\color{black}{})}$$ となります。

ここで、数列\(\large{\{b_n -1\}}\) は 初項 \(\displaystyle\large{\hspace{1pt}b_1 -1= 2-1 = 1}\)、公比 \(\displaystyle\large{r=-3}\) の等比数列となるため $$\large{b_n -1 = \left(-3\right)^{n-1} }$$ すなわち、数列\(\large{\{b_n\}}\) の一般項は $$\large{b_n = \left(-3\right)^{n-1} + 1}$$ となります。

したがって、\(\displaystyle\large{a_n = \frac{1}{b_n}}\) から $$\large{a_n = \frac{1}{\left(-3\right)^{n-1} + 1}}$$ と求められます。

手順をまとめると、以下のようになります。

【分数型(\(\large{B=0\hspace{1pt}}\))の漸化式の解き方】
① \(\large{a_n \neq 0 \hspace{2pt}}\) を示す
② 漸化式の逆数をとる
③ \(\displaystyle\large{b_n = \frac{1}{a_n}}\) に置き換える
④ \(\displaystyle\large{b_n}\) の一般項を求める

・例題2 | B≠0 の場合

分数型の漸化式において \(\large{B \neq 0}\) すなわち、 \begin{eqnarray} && \large a_1 = a\\[0.7em] && \large a_{n+1} = \frac{A\hspace{1pt}a_n +B}{C\hspace{1pt}a_n +D} \\ \end{eqnarray} と表される場合、漸化式の特性方程式を解き、一般項を求めます。

【例題2】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = 4\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{4\hspace{1pt}a_n-9}{a_n -2} \\ \end{eqnarray}

① 特性方程式を解く

まず、\(\large{a_n\hspace{1pt},\hspace{2pt}a_{n+1}}\) を \(\large{\alpha}\) に置き換えた特性方程式 $$\large{\alpha = \frac{4\hspace{1pt}\alpha-9}{\alpha -2}}$$ を解きます。

上式を整理すると \(\large{ \alpha^2 - 6\hspace{1pt}\alpha +9 = 0}\) となり、解\(\large{\alpha}\) は \(\displaystyle\large{\alpha = \color{red}{3}\color{black}{}}\) (重解) となります。

② bn に置き換える

\(\large{b_n = a_n -\color{red}{3}\color{black}{}}\) とおくことで、漸化式を数列\(\large{\{b_n\}}\) で表します。 \begin{eqnarray} \large b_{n+1}&\large = &\large a_{n+1} -\color{red}{3}\color{black}{} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{4\hspace{1pt}a_n-9}{a_n -2} -\frac{3(a_n -2)}{a_n -2} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{a_n-3}{a_n -2} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{a_n-3}{(a_n-3) +1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{b_n}{b_n +1} \\ \end{eqnarray}

③ bn の漸化式の逆数をとる

つまり、数列\(\large{\{b_n\}}\) の漸化式は \begin{eqnarray} && \large b_1 = 1\\[0.7em] && \large b_{n+1} =\frac{b_n}{b_n +1} \\ \end{eqnarray} となります。
(この漸化式は 例題(1) | B=0 の場合の分数型の漸化式 と同じ形式となっています。)

ここで、漸化式の逆数をとるために、すべての自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{b_n \neq 0}\) であることを背理法から示します。

\(\large{b_n = 0}\) となる 自然数 \(\large{n}\) が存在すると仮定します。
ここで、以下の漸化式 $$\large{b_{n+1} =\frac{b_n}{b_n +1}}$$ において、\(\large{b_{n} = 0}\) とすると \(\large{b_{n-1} = 0}\) となります。

つまり、 $$\large{ b_n = b_{n-1} = b_{n-2} =\cdots = b_1 = 0}$$ となり、\(\large{b_1 = 0}\) となることから、\(\displaystyle\large{b_1 = 1}\) であることに矛盾します。

したがって、すべての 自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{b_n \neq 0}\) となります。

前記の漸化式の逆数をとると \begin{eqnarray} \large \frac{1}{b_{n+1}} & \large = & \large \frac{b_n +1}{b_n}\\[0.7em] \large & \large = & \large 1 +\frac{1}{b_n}\\[0.7em] \end{eqnarray}

④ bn の一般項を求める

数列\(\displaystyle\large{\left\{\frac{1}{b_n}\right\}}\) は 初項 \(\large{1}\)、公差 \(\large{1}\) の等差数列であるため、 $$\large{\frac{1}{b_n} = 1+(n-1) = n}$$ となります。

したがって、\(\large{a_n = b_n + 3}\) から $$\large{a_n = \frac{1}{n}+3}$$ と求められます。

手順をまとめると、以下のようになります。

【分数型(\(\large{B≠0\hspace{1pt}}\))の漸化式の解き方】
① \(\large{a_n\hspace{1pt},\hspace{2pt}a_{n+1}}\) を \(\large{\alpha}\) として特性方程式を解く
② \(\large{b_n - \alpha}\) とおき \(\large{b_n}\) の漸化式を作る
③ \(\large{b_n\hspace{1pt}}\) の漸化式の逆数をとる
④ \(\large{b_n\hspace{1pt}}\) の一般項を求める

手順①の計算過程で用いた特性方程式の解 \(\large{\alpha}\) が重解である場合、式変形に使用する \(\large{\alpha}\) は例題(2)のように一通りとなります。

一方、特性方程式 \(\large{\alpha}\) が異なる2つの解である場合、式変形に使用する \(\large{\alpha}\) は、2つの解からどちらかを選択して使用します。
この場合は、後述する問題(2)で扱います。

【2】分数型の漸化式の問題

本章では、分数型の漸化式に関連する問題と解き方について解説します。

【問題(1)】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = \frac{1}{2}\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{4\hspace{1pt}a_n}{a_n -1} \\ \end{eqnarray}
【問題(2)】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = -\frac{3}{2}\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{2\hspace{1pt}a_n+6}{a_n +1} \\ \end{eqnarray}

問題1の解答 : 分数型の漸化式

【問題(1)】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = \frac{1}{2}\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{4\hspace{1pt}a_n}{a_n -1} \\ \end{eqnarray}

① an≠0 を示す

問題の漸化式は \(\large{B=0}\) の場合の分数型の漸化式です。
例題(1)と同様に、漸化式の逆数を求めて一般項を求めます。

まず、漸化式の逆数をとるために、すべての自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{a_n \neq 0}\) であることを背理法から示します。

\(\large{a_n = 0}\) となる 自然数 \(\large{n}\) が存在すると仮定します。
ここで、以下の漸化式 $$\large{a_{n+1} =\frac{4\hspace{1pt}a_n}{a_n -1}}$$ において、\(\large{a_{n} = 0}\) とすると \(\large{a_{n-1} = 0}\) となります。

つまり、 $$\large{ a_n = a_{n-1} = a_{n-2} = \cdots = a_1 = 0}$$ となり、\(\large{a_1 = 0}\) となることから、\(\displaystyle\large{a_1 = \frac{1}{2}}\) であることに矛盾します。

したがって、すべての 自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{a_n \neq 0}\) となります。

② 漸化式の逆数をとる

問題の漸化式の逆数をとると \begin{eqnarray} \large \frac{1}{a_{n+1}} & \large = & \large \frac{a_n -1}{4\hspace{1pt}a_n}\\[0.7em] \large & \large = & \large \frac{1}{4} - \frac{1}{4\hspace{1pt}a_n} \\[0.7em] \end{eqnarray} となります。

③ bn に置き換える

ここで、\(\displaystyle\large{b_n = \frac{1}{a_n}}\) と置き換えることで $$\large{b_{n+1} = \frac{1}{4}- \frac{1}{4}\hspace{1pt} b_n }$$ と変形されます。

上式は \(\large{b_{n+1}\hspace{1pt},\hspace{2pt}b_n}\) を \(\large{\alpha}\) に置き変えた特性方程式 $$\large{\alpha = \frac{1}{4}- \frac{1}{4} \hspace{1pt}\alpha }$$ を解くことで一般項を求められるように変形されます。

特性方程式の解\(\large{\alpha}\) は \(\large{\alpha = \color{red}{\frac{1}{5}}\color{black}{}}\) となることから、 $$\large{b_{n+1}-\color{red}{ \frac{1}{5}}\color{black}{} =-\frac{1}{4}\hspace{1pt}(b_n -\color{red}{ \frac{1}{5}}\color{black}{})}$$ となります。

ここで、数列\(\large{\{b_n -\frac{1}{5}\}}\) は 初項 \(\large{\hspace{1pt}b_1 -\frac{1}{5}= 2 - \frac{1}{5}= \frac{9}{5}}\)、公比 \(\large{r=-\frac{1}{4}}\) の等比数列となるため $$\large{b_n -\frac{1}{5} =\frac{9}{5}\cdot \left(-\frac{1}{4}\right)^{n-1} }$$ すなわち、数列\(\large{\{b_n\}}\) の一般項は $$\large{b_n = \frac{9}{5}\cdot \left(-\frac{1}{4}\right)^{n-1} +\frac{1}{5}}$$ となります。

したがって、\(\displaystyle\large{a_n = \frac{1}{b_n}}\) から \begin{eqnarray} \large a_n & \large = & \large \frac{1}{\frac{9}{5}\cdot \left(-\frac{1}{4}\right)^{n-1} +\frac{1}{5}}\\[0.7em] \large & \large = & \large \frac{5\cdot (-4)^{n-1} }{9 +(-4)^{n-1}}\\[0.7em] \end{eqnarray} と求められます。

問題2の解答 : 分数型の漸化式

【問題(2)】
 次の漸化式で定義される数列\(\large{\{a_n\}\hspace{1pt}}\)の一般項を求めよ \begin{eqnarray} && \large a_1 = -\frac{3}{2}\\[0.7em] && \large a_{n+1} =\frac{2\hspace{1pt}a_n+6}{a_n +1} \\ \end{eqnarray}

① 特性方程式を解く

まず、\(\large{a_n}\) を \(\large{\alpha}\) に置き換えた特性方程式 $$\large{\alpha = \frac{2\hspace{1pt}\alpha+6}{\alpha +1}}$$ を解きます。

上式を整理すると \(\large{ \alpha^2 - \alpha -6 = 0}\) となり、解\(\large{\alpha}\) は \(\displaystyle\large{\alpha = -2\hspace{1pt},\hspace{2pt}3}\) となります。

ここで、\(\large{\alpha = -2}\) とします。

(特性方程式の2つの解\(\large{\alpha}\) のどちらを選択しても結果は同じになります。\(\large{\alpha=3}\) を選択した場合については、問題(2)の別解で示します。)

② bn に置き換える

\(\large{b_n = a_n +2}\) とおくことで、漸化式を数列\(\large{\{b_n\}}\) で表します。 \begin{eqnarray} \large b_{n+1}&\large = &\large a_{n+1} +2 \\[0.7em] &\large = &\large \frac{2\hspace{1pt}a_n+6}{a_n +1} +\frac{2(a_n +1)}{a_n +1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{4\hspace{1pt}a_n+8}{a_n + 1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{4(a_n+2)}{(a_n+2) -1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{4\hspace{1pt}b_n}{b_n -1} \\ \end{eqnarray}

③ bn の漸化式から一般項を求める

数列\(\large{\{b_n\}}\) の漸化式は \begin{eqnarray} && \large b_1 = \frac{1}{2}\\[0.7em] && \large b_{n+1} =\frac{4\hspace{1pt}b_n}{b_n -1} \\ \end{eqnarray} であり、問題(1)の結果から、 $$\large{b_n = \frac{5\cdot (-4)^{n-1} }{9 +(-4)^{n-1}}}$$ したがって、\(\large{a_n = b_n -2}\) であることから、 \begin{eqnarray} \large a_n &\large =&\large \frac{5\cdot (-4)^{n-1} }{9 +(-4)^{n-1}}-2\\[0.7em] \large &\large =&\large \frac{5\cdot (-4)^{n-1} }{9 +(-4)^{n-1}}-\frac{2(9 +(-4)^{n-1})}{9 +(-4)^{n-1}} \\[0.7em] \large &\large =&\large \frac{3\cdot (-4)^{n-1} -18}{(-4)^{n-1} + 9 } \\ \end{eqnarray} となります。

・問題2の別解 : α=3のとき

ここで、問題2の計算過程での特性方程式 $$\large{\alpha = \frac{2\hspace{1pt}\alpha+6}{\alpha +1}}$$ の解 \(\displaystyle\large{\alpha = -2\hspace{1pt},\hspace{2pt}3}\) において \(\large{\alpha = 3}\) とした場合にも同じ結果が得られることを示します。

\(\large{b_n = a_n -3}\) とおくことで、漸化式を数列\(\large{\{b_n\}}\) で表します。 \begin{eqnarray} \large b_{n+1}&\large = &\large a_{n+1} -3 \\[0.7em] &\large = &\large \frac{2\hspace{1pt}a_n+6}{a_n +1} -\frac{3(a_n +1)}{a_n +1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{-a_n+3}{a_n + 1} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{-(a_n-3)}{(a_n-3) +4} \\[0.7em] &\large = &\large \frac{-b_n}{b_n +4} \\ \end{eqnarray}

すなわち、数列\(\large{\{b_n\}}\) の漸化式は \begin{eqnarray} && \large b_1 = -\frac{3}{2}-3 = -\frac{9}{2}\\[0.7em] && \large b_{n+1} =\frac{-b_n}{b_n +4} \\ \end{eqnarray} となります。

次に、漸化式の逆数をとるために、すべての自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{b_n \neq 0}\) であることを背理法から示します。

\(\large{b_n = 0}\) となる 自然数 \(\large{n}\) が存在すると仮定します。
ここで、以下の漸化式 $$\large{b_{n+1} =\frac{-b_n}{b_n +4}}$$ において、\(\large{b_{n} = 0}\) とすると \(\large{b_{n-1} = 0}\) となります。

つまり、 $$\large{ b_n = b_{n-1} = b_{n-2} = \cdots = b_1 = 0}$$ となり \(\large{b_1 = 0}\) となることから、\(\displaystyle\large{b_1 = -\frac{9}{2}}\) であることに矛盾します。

したがって、すべての 自然数 \(\large{n}\) に対して \(\large{a_n \neq 0}\) となります。

よって、漸化式の逆数をとると \begin{eqnarray} \large \frac{1}{b_{n+1}} & \large = & \large -\frac{b_n +4}{b_n}\\[0.7em] \large & \large = & \large -1 -\frac{4}{b_n}\\[0.7em] \end{eqnarray} となります。

ここで、\(\displaystyle\large{c_n = \frac{1}{b_n}}\) と置き換えることで $$\large{c_{n+1} = -1- 4 \hspace{1pt}c_n }$$ と変形されます。

\(\large{c_{n+1}\hspace{1pt},\hspace{2pt}c_n}\) を \(\large{\alpha}\) に置き変えた特性方程式 $$\large{\alpha = -1- 4\hspace{1pt}\alpha }$$ を解くと \(\large{\alpha = \color{red}{-\frac{1}{5}}\color{black}{}}\) となることから、 $$\large{c_{n+1}+\color{red}{ \frac{1}{5}}\color{black}{} =-4\hspace{1pt}\left(b_n +\color{red}{ \frac{1}{5}}\color{black}{}\right)}$$ となります。

ここで、数列\(\large{\{c_n +\frac{1}{5}\}}\) は 初項 \(\displaystyle\large{\hspace{1pt}c_1 +\frac{1}{5}= -\frac{2}{9}+\frac{1}{5} = -\frac{1}{45}}\)、公比 \(\displaystyle\large{r=-4}\) の等比数列となるため $$\large{c_n +\frac{1}{5} = -\frac{1}{45}\cdot \left(-4\right)^{n-1} }$$ すなわち、数列\(\large{\{c_n\}}\) の一般項は $$\large{c_n = -\frac{1}{45}\cdot \left(-4\right)^{n-1} - \frac{1}{5}}$$ となります。

したがって、\(\displaystyle\large{b_n = \frac{1}{c_n}}\) から \begin{eqnarray} \large b_n & \large = & \large \frac{1}{ -\frac{1}{45}\cdot \left(-4\right)^{n-1} - \frac{1}{5}}\\[0.7em] \large & \large = & \large -\frac{45}{ \left(-4\right)^{n-1} + 9}\\[0.7em] \end{eqnarray} と求められます。

つまり、\(\large{a_n = b_n +3}\) から \begin{eqnarray} \large a_n & \large = & \large -\frac{45}{ \left(-4\right)^{n-1} + 9}+3\\[0.7em] \large & \large = & \large -\frac{45}{\left(-4\right)^{n-1} +9}+ \frac{3\cdot(\left(-4\right)^{n-1} +9)}{\left(-4\right)^{n-1} +9}\\[0.7em] \large & \large = & \large \frac{3\cdot\left(-4\right)^{n-1} -18}{\left(-4\right)^{n-1} +9}\\[0.7em] \end{eqnarray}

したがって、特性方程式の解を \(\large{\alpha=3}\) と選択しても、問題2の \(\large{\alpha = -2}\) と選択した場合と同じ結果が求められます。


Copyright (c) 光学技術の基礎用語 All Rights Reserved.