本項では以下の内容を解説しています。
数列は英語でsequenceといいます。
等差数列はarithmetic sequence、等比数列はgeometric sequenceといいます。
本章では、等差数列と等比数列の英語表現について解説します。
隣接する数字の差分の等しい数列を等差数列といいます。
例えば、以下の数列は、最初の項が2、次以降の項は前の項に3を足した値が並んでいます。
このような数列は、初項\(\large{a_1}\)が2、公差\(\large{d}\)が3の等差数列といいます。
英語で数列の各項をtermといいます。特に、数列の初項を"initial term"もしくは、"first term"といいます。
初項以降の項は、second term、third termと『序数+term』により何番目の項かを言い表します。
また、数列の公差\(\large{d}\)は英語でcommon differenceといいます。
ここで、項の個数が有限である数列を有限数列といいます。有限数列は英語でfinite sequenceといいます。
有限数列である場合、最後の項を特別にlast termという言い方をします。
一方、項の個数が無限である数列を無限数列といいます。無限数列は英語でinfinite sequenceといいます。
数列の第n項\(\large{a_n}\)をnの式で表すとき、\(\large{a_n}\)を一般項といいます。
一般項は英語で、explicit formulaといいます。もしくは、n番目の項という意味でnth termということもあります。
等差数列の一般解は、初項\(\large{a_1}\)、公差\(\large{d}\)を使用すると以下のような式になります。
ここで、『等差数列の一般項は、"\(\large{a_n = a_1 + (n-1)d}\)"です。』を英語で表すと、『The explicit formula of the arithmetic sequence is "a sub n is equal to a sub 1 plus n minus 1 times d".』といいます。
『a sub n』は下付き文字の\(\large{a_n}\)を言い表す表現です。『sub』は下付き文字であるsubscriptを略した言い方です。
隣接する数字の比が等しい数列を等比数列といいます。
例えば、以下のような等比数列は、初項が3、公比が2の等比数列といいます。
数列の公差は英語でcommon ratioといいます。
等差数列の一般解は、初項\(\large{a_1}\)、公比\(\large{r}\)を使用して以下のような式になります。
ここで、『等比数列の一般項は、"\(\large{a_n = a_1 r^{n-1}}\)"です。』を英語で表すと、『The explicit formula of the geometric sequence is "a sub n is equal to a sub 1 times r to the n minus 1".』といいます。
(r to the nは『rのn乗』を表す用語です。詳しくはべき乗の記事に記載しています。)
数列の項の和を計算したものを級数といいます。級数は英語でseriesといいます。
等差数列の級数を等差級数といい、英語ではarithmetic seriesといいます。
一方、等比数列の級数を等比級数といい、英語ではgeometric sequenceといいます。
また、級数の個数による分類として、無限の個数の数列からなる級数を無限級数といいます。無限級数は英語で、infinite seriesといいます。
一方、ある有限の個数の数列の和を部分和といいます。部分和は英語で、partial sumといいます。
級数は以下のように、和を表す記号\(\large{\sum}\)によって書き表されます。
記号\(\large{\sum}\)は英語で、"sigma"もしくは、"summation"といいます。
上記のシグマ記号による数列の和\(\large{ \displaystyle \sum_{n=1}^\infty a_n}\)を英語では、"The summation of a sub n as n goes from 1 to infinity"などといいます。
なお、summationの代わりにsum、asの代わりにwhereを使用することもあります。
また、他の例として、以下のようなシグマ記号を使用した数列の和 $$\large{ \displaystyle \sum_{n=1}^5 \frac{1}{n} = 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}}$$ を英語では、"The summation of 1 over n as n goes from 1 to 5"などといいます。
("1 over n"は分数\(\Large{\frac{1}{n}}\)を表す表現です。分数の英語表現は別ページに解説しています。)
n個の項からなる、初項\(\large{a_1}\)、公差\(\large{d}\)、末項\(\large{a_n}\)の等差数列の和 $$\large { \displaystyle S_n = a_1 + a_2 + a_3 + \cdots +a_n}$$ は以下の式により計算されます。 $$\large { \displaystyle S_n = \frac{a_1 + a_n}{2}n}$$ 上記の数列の和は、英語では"(The partial sum of the arithmetic series) S sub n is equal to sum of the initial term and last term divided dy 2 times n."といいます。
"sum of A and B"はAとBの和を意味する用語です。また、"A divided by B"は分数\(\Large{\frac{A}{B}}\)を表す表現です。
n個の項からなる、初項\(\large{a_1}\)、公比\(\large{r}\)の等比数列の和
$$\large { \displaystyle S_n = a_1 + ar + a r^2 + \cdots +a r^{n-1}}$$
は\(\large{r \neq 1}\)のとき、以下の式により計算されます。
$$\large { \displaystyle S_n = \frac{a(1-r^n)}{1-r}}$$
上記の数列の和は、英語では"(The partial sum of the geometric sequence) S sub n is equal to a times 1 minus r to the n divided by 1 minus r."といいます。
(r to the nは『rのn乗』を表す用語です。詳しくはべき乗の記事に記載しています。)
本項で解説した数列に関連する英語表現の用語の一覧を示します。
用語 | 意味 |
---|---|
sequence | ・数列 |
arithmetic sequence | ・等差数列 |
geometric sequence | ・等比数列 |
indefinite integral | ・不定積分 |
term | ・(数列の)項 |
initial term | ・初項 |
first term | ・初項 |
last term | ・末項 |
n-th term | ・第n項 |
common difference | ・公差 |
common ratio | ・公比 |
finite sequence | ・有限数列 |
infinite sequence | ・無限数列 |
explicit formula | ・一般項 |
また、級数に関連する用語の一覧を示します。
用語 | 意味 |
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series | ・級数 |
infinite series | ・無限級数 |
partial sum | ・部分和 |
sigma notation | ・シグマ記号 |
summation | ・総和 |
その他、本項で解説した内容以外の、数列や級数によく使用される英語表現の用語の一覧を示します。
用語 | 意味 |
---|---|
recursive formula | ・漸化式 |
divergent | ・発散する |
convergent | ・収束する |
oscillating | ・振動する |
Fibonacci sequence | ・フィボナッチ数列 |
alternating series | ・交項級数 |